
公的医療保険の転換点
2012年に診療報酬と介護報酬が改訂されていました。その根底には、「医療費2025年問題」があります。
2025年は団塊の世代と呼ばれる第一次ベビーブームに生まれた世代が全て75歳以上を迎える年です。毎年1兆円のペースで医療費は伸び続けており、医療ニーズの高い世代が一気に増加するため、これらの医療費の負担について、保険者に直面することになります。
一般に75歳以上になると急激に医療費が伸びると言われており、75歳以上の年間医療費は国民平均の3倍以上かかります、
医療費抑制のためのメタボ予防
2025年に団塊の世代が75歳以上になるといっそう医療費の増加とその財源問題が深刻化することがわかっています。その対策として考えられているのが、「メタボ予防」です。
メタボは放置すると糖尿病や脳血管障害などの生活習慣病にまで進展する可能性があります。その結果、多額の医療費がかかってしまうのです。
40代以上について言えば、今や男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボ該当者もしくは予備軍であることが厚生労働省の調査で分かっています。
生活習慣病の発症予防だけでも医療費抑制に大きなインパクトがありますが、メタボ予防でも多額の医療費が抑制されることが期待されています。
医療費抑制とがん予防
日本人の死因に常に上位にランクインするがん。
2人に1人ががんと診断されているというショッキングな調査結果も発表されています。がんの治療や闘病生活には多額の医療費が必要となります。
ただし、がんの発生原因のうち半分は不規則・不摂生な食事や喫煙などの生活習慣によるものであり、男性のがんの約6割、女性のがんの約3割が予防できるものであることも分かっています。
そのため、一人ひとりの生活習慣を改善することにより、がんを予防することが非常に重要になります。がんを予防できれば医療費を抑制できるだけでなく、生存率も高くなります。
医療費抑制は医療業界の将来に関わる課題
このように、医療費の抑制は持続的な高福祉社会を維持する上でも非常に重要な課題となっています。
厚生労働省が平成20年から策定した医療費適正化計画は医療費の抑制だけでなく、国民健康保険の安定や、われわれ国民の健康促進が盛り込まれています。
生活習慣の改善による健康的な生活と、定期健診や検査などで早期に病気を発見することの両輪が大事になってきます。
これからは、病気になってから治療する治療医学だけでなく、病気そのものにかかりにくくする予防医学の発展がますます重要性が増していくことでしょう。