
医学生のちょっと変わった就活事情
苦しい受験戦争の末、ようやく合格した医学部。
入学すると、医師国家試験に向けて勉強漬けの6年間が始まります。
そして医師国家試験に合格すれば、晴れて医師免許を手にすることができます。
ところが、医師免許を手に入れても、すぐに医者として患者を診ることはできず、2年間「研修医」として研修を受けなければいけません。
少し前であれば、大学医局制度というものがあり、出身大学の医学部附属病院で研修するのが一般的でした。
しかし、批判も多く、今では自分で勤めたい病院を自由に選ぶことができるようになっています。
今では医学生も一般の大学生のように病院に対し就活をしなければいけないのでしょうか?
どのように研修する病院が決まるのか、詳細を見てみましょう。
医学生が受ける選考試験
医学生は、自分がどの病院に行きたいか自分で決めなくてはいけません。
そのため、どこにどういった病院があるのか情報収集から始めることになります。
実際に病院に足を運ぶこともありますし、「レジデントナビ」といった100を超える病院が合同で行う説明会に参加するなどして、病院の見学や情報の収集を行います。
行きたい病院の候補がいくつか決まると、次は選考が始まります。
卒業年度の夏に選考を受けるのが一般的です。
人気がある病院は選考試験を受けて、合格してようやく勤務できることになります。
このあたりは一般の大学生と変わりませんね。
では、選考に落ちてしまった場合はどうなるのでしょうか。
実は、ここからが普通の大学生と違う部分になります。
医学生と病院を結ぶマッチング制度
厚生労働省が発案した「研修医マッチング」という制度があります。
これは、医学生が本命から滑り止めまで、いくつかの希望する病院を挙げ、病院も求める人材についてニーズを挙げ、この両者をアルゴリズム・システムでマッチングしようとする制度です。
なんと、マッチ率は96%以上という高確率です。
つまり、ほとんどの医学生が内定を勝ち取ることができるということです。
実は、2004年に初期臨床研修病院を自由に選択できるようになってからは、医局に残らない医師も増加してきており、人材不足が起こっています。
そのため、『○○の入局説明会』という名称で医学生を集めます。
そこでは飲み会もセットで行われ、お酒の席で先輩である医局員から「うちの医局においで!」と研修医を誘うことが熱心に行われます。
また、内定率がほぼ100%といっても、マッチングにおいては実際にはお互いにシビアな順位がつけられています。
医療は理想だけで語ることはできません。
医学生の人格や能力(学力)を病院が見極め、その志望に折り合いをつけるためのシステムとなっているのです。